華恋≪完≫


「言いたいことって、それだけ?」

「うん」


困らせたくて言ったんじゃなかったんだけどなぁ。
でも、最後に泣かなくてよかった


こんな時まで泣いてたら、彼の中のあたしはずっと泣いてることになる


だから、これでよかったの。


「バイバイ」



疾風の病室に戻ろうと立ち上がったのに、気づけば彼の腕の中。


「俺の話、まだ終わってない」

「…っやだっ」

「何が嫌…?」

「こういうの、やだ。恋人の時みたいに優しくしないで欲しい」


勘違いさせないで。
優しくされたら、あたしの努力が無駄になってしまう