「手術が終わったら、疾風と新さんとサッカーしたいから、お姉ちゃんから言っといてくれない?」
「ごめん。もう、別れたから」
新はどうして、別れたことを話さなかったんだろう。
あたしに気を遣ってくれたのかな…
一瞬驚いていた爽汰も、それ以上彼の話をすることはなくなった
そして、また沈黙が続き、1時間程経った頃
赤いランプが消え、扉が開く音がする。
「疾風!!」
爽汰はすぐさま立ち上がったけど、あたしは視線さえ上げることができない
そんな様子に気づいた爽汰が、あたしを引っ張ってくれた。
……そうしてくれなかったら、きっと視線を上げることができなかった。