四時間、五時間


予定時刻を過ぎても、中々『手術中』の赤いランプは消えてくれない。

疾風に、何かあったのかもしれない
時計の針が進むたび、その不安は大きくなってゆく


「姉ちゃん!……まだ終わってないの?」


爽汰も到着し、二人共無言で時計を見つめる




「お姉ちゃんばっかりに任せて、ごめん」

不意に謝られ、返答に困ってしまう
実際、爽汰が謝ることなんて何もない


「痩せたな、って思って。疾風の看病ずっとしてたんでしょ?」

「看病だなんて、そんな大げさなものじゃないよ」

「新さんも心配してた」

「……ん」

名前を聞いただけでこんなにも反応してしまう自分が情けない