鈴蘭side
「…………、」
教室に入った途端、見えてきたもの
…新と聖那ちゃんの姿。
あぁもう。なんで悲しんでるんだ
そもそも手離したのは、あたしなんだから
その時一瞬、新と目が合ったけどすぐに反らされる
………こんなにも、痛いもの知らない。
「すーちゃん……」
椅子に座って俯いてると、
火海里が話しかけてくれる
ずっと避け続けたのに……どうして?
優しすぎるよ、
「……あ、火海里おはよ!」
ただね、作り笑いしか返せない。
ごめんね。
怖いの。
優しくされると 、仲良くなっちゃうと。
疾風みたいに、なっちゃうんじゃないかって
新みたいに、軽蔑されるんじゃないかって
結局、自分が一番なんだ…。
失って、傷つきたくないから
だから、自分から離れる

