―――――――――――!!!
せっかく前に押し出した扉は
あたしが後ろから
ぐっとひっぱられると同時、
バタンッと閉まってしまった。
「やっ...陸……??」
あたしは後ろから
陸の腕に抱きしめられていた。
「離してっ...」
「...そこは『離して』じゃなくて、
俺の方に向きを変えて
背中に手をまわす。」
「へ...??」
陸はなにを...
「教えてほしんだろ?」
耳元で呟かれると
息まであたってくすぐったい。
「椎奈が恋愛音痴...っつーか、
初心者なのは了承済みだし
鈍感なのも知ってるから。
俺にだけは遠慮すんな。」