あたしに気付く様子は...
ない。
「おーい、陸ー?」
少し離れたところから
彼の名前を呼ぶけど
自分の笑い声で聞こえないのか
全く反応なし。
もー...........。
「陸っ。」
今度は耳元で
少し声を張って呼んでみた。
「うるせ...。ん?あぁ、椎奈じゃん。」
うるせぇって...。
頭の真上にある
あたしの顔を見るなり
そんな生意気な口を叩いているのは
柚川家の真隣に住む、
島崎家の長男
島崎陸。
生まれた頃から
あたしたちは
よく一緒に遊んで
一緒にご飯を食べて
一緒に寝ていた。
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