紅妃達が、にこやかに話しをしていると玄関から激しい開閉音と、五月蝿い話し声が聞こえた。
「かぁぁあ!
いやいや、別れを惜しまれる色男も辛いぜぇ~」
「よっと、
警察寮でも荷物が嵩張んなぁ」
やって来たのは、原田と永倉だった。
良い雰囲気がぶち壊しだ。
原田はやれやれと言いながら、総司のお茶を一気飲みした。
「…あ、
ワリィ総じぃッ!!」
総司の司を言おうとした時、原田は宙を舞った。
振り抜いた拳がぷるぷると震えている。
「あぁ~」
平助の間の抜けた声に、全員が同時に原田の馬鹿…と呆れた。
「…原田さんって何回生まれ変わっても馬鹿何ですか。
いや、馬鹿ですよね。
いっそうの事、馬鹿ら田に改名しましょう。
いえ。馬鹿ら田と決定します」
原田は床で悶絶。
総司から、例え飲み物でも、食品は奪ってはいけないのも相変わらずだった。
そんな総司を山南と井上が宥め、呆れたため息を付きながら永倉は原田を引きずり引っ越し作業に入って行った。
