「俺は、昔の近藤さんなら好きなんだ…」
「…だな…
命預けられるくらいな…」
2人の寂しい呟きに、仲間は優しく、かつ辛そうに微笑んだ。
「『今』なら…
許せる…な?」
「あぁ、俺もだ!」
原田と永倉は、お互いに頷きニカッと笑った。
その様子に周りはほっとため息をこぼす。
「そうか。
ならば、近藤も目覚めてもらうかな…」
紅妃の言葉に2人はポカンとする。
「どういう事?」
心配してた藤堂が聞くと、紅妃は減なりと笑う。
「近藤の死に際も迎えに行ったからな。
ただ、本人が原田、永倉が了承しなければ、要らぬと言ったのさ。
ちなみに、女遊びの後は泣きながら妻に手紙を書いてたそうだ。
汚ない顔で、仲間や妻の事を聞かされた」
全員が紅妃に気の毒そうな視線を送った。
