約束の当日。午前11時。


山崎が足を運び知らせた全員を連れ、とあるビルの前にいた。

「山崎君?此処かい?」

「そのはずや。

ちょお、待ってな、今電話…」
山南さんに問われ、山崎は焦る。

何しろ呼びつけた本人がいない。

皆の視線に焦り、携帯を出すと問題の人物の声がした。


「お前のコールなぞ要らん。


私は、此処だ」


見ると、ビルの入り口から歩いてくる。


「…

全員来たな。

ならば、中で話そうか…」


ついてこいと、言うとビルの中に入る。


全員、とりあえずついて行くとエレベーターで3階に上がった。


エレベーターを降りると、ドアが一つだけあった。


「さぁ、あがってくれ」


中に入ると、沢山のドアと広いリビング。対面式のキッチン、上に上がる階段やデカイ窓に広いベランダ迄あった。


「なんですか…?
此処…」

「随分…豪華だな…」


沖田と土方がびっくりして唖然とし、3馬鹿はすげぇ!と連呼しながら目をキラキラさせている。
山南、山崎、井上、斎藤は、ゆったりと眺めていた。


「とりあえず、座ってくれ」


広いリビングの椅子を示し、コーヒーがだされ、室内はいい香りが漂い、皆椅子に腰掛けた。