視界が白く飲み込まれる。

駆け巡る、記憶。


刀に命をかけ、

仲間と京をかけた。


そして、最後に伸ばされた白い手を…



「…」


ふらつきながら、頭を振ると視界が戻ってくる。


…そうか、思い出した。

俺は…


『新撰組・3番隊隊長、斎藤一』だ…


「一君!」

「大丈夫か?斎藤!」


見上げると、木刀を持った二人が目に入る。

『昔』と変わらない…


「大丈夫です。

副長、総司…」


俺の言葉に、二人は嬉しそうに笑う。


「良かった!

久しぶりです!一君!」

「まったくだ…

久しぶりだな、斎藤…」


懐かしい仲間。


自然と笑顔になる。


還ってきた…


「…
感動的なところで悪いが、私は準備があるんだ。

失礼する」


「待てよ、失礼するって帰りはどうすんだ」


青年はよう済みと、さっさと歩き出すが、土方さんの言葉で振り返る。


「気にするな。


…また山崎から連絡する」


そう言い残し、立ち去った。



俺は後ろ姿を見えなくなるまでずっと見つめた。