「「「「「………」」」」」
先ほどまでの元気が嘘の様に、近藤達はどんよりと黙っていた。
さすがに、捕物帖がまさか紅妃と芹沢のみで決着が着くとは思ってなかったのだ。
「さすが、紅妃ですねぇ…」
「恐ぇ…
ありゃ、心が折れるぜ…」
「………ポッ」
「斎藤君…」
沖田は笑い、永倉は青ざめ、斎藤は顔を赤く染めて恥じらい、山南はそんな斎藤にちょっと引いた。
「…これで終いだな。
早く終わった事だし、皆で夕涼みにでも行くか…」
「…
夕涼みですか。
良いんじゃないですか?
取り敢えず、ご飯食べてからなら」
周りのドン引き具合も気にせず、さっさと話しを進めていく2人。
結局、ご飯の後、船で夕涼みに決定していた。
ぞろぞろと、芹沢、近藤を前に進んで行く。
後方に下がってついて行く紅妃の元に4人がやってくる。
「紅妃、楽しみ?」
沖田の一言に紅妃の笑みが歪む。
「歴史のままに…か…
皆、力士乱闘ももうすぐだ。
歴史通りに。
斎藤、山南さん頼みます…」
誰よりも苦しい顔をしながら、仕事を頼む紅妃は、誰より悲しいのかも知れない。
「「…承知」」
歩き去る芹沢に、優しく笑いながら紅妃も後を追って行く。
「…嫌いに成れたら、どんなに楽だろうな…
なぁ、筆頭局長殿…」
ポツリと零れた紅妃の本音に4人は紅妃のためにも失敗はしないと覚悟を決めながら、紅妃の背を追った。
