さらに夜は更け、酔いつぶれた隊士と未だに素面の隊士はお互いに支え合いながら屯所に帰宅して行く。
隊長格もパラパラと散ったり、泊まりの支度をしたりと自由だ。
「芹沢先生、お帰りですか?」
芹沢が席を立てば、すかさず紅妃が声をかけた。
「ふん。なんだ、お前は素面じゃないか…
御厨」
「酒は飲んでも飲まれるな。
常識ですよ?」
つまらなそうに、答えた芹沢にフイっと肩を竦めてさらりと答えた。
そんな紅妃に芹沢はグダグダになっている3馬鹿を眺め、顎で示す。
「その言葉、あいつらに言ってやれ」
「馬鹿に何言っても無駄ですよ。
死んでも治りません」
さらりと冷たく言う。
そんな紅妃に芹沢は苦笑すると、席を立った。
「先生!我々も…」
「構わん。
お前達は楽しんでこい」
退室に気がついた新見に、芹沢はひらりと手を振って、紅妃を連れて角屋を後にした。
