さらに、紅妃が芹沢と行った事を土方に伝えに走る沖田と斎藤は土方の部屋に到着した。
「ひぃじぃかぁぁたぁぁあぁ!!!!」
スパーンッ!!
沖田の叫びと共に勢い良く開かれた襖は少し壊れた。
普段なら、伺いを立てる斎藤もそのまま部屋に侵入する。
「はぁぁあっ!!?
何しちゃってんのぉ!?」
突然の出来事にツッコミすら普通になる土方。
「んなこと、どうでもいいんです!!
紅妃がッ!!
紅妃がッ!!」
「ふ、副長!
芹沢がッ!!
芹沢がッ!!」
珍しいぐらいの斎藤の慌てぶりに、土方は唖然とする。
「………」
「………」
土方の間の抜けた顔に、斎藤と沖田は、はっと我にかえる。
「…ん゛ん」
「…コホン」
自分達の慌て様が恥ずかしくなり、咳払いで誤魔化すと、土方がようやく意識を取り戻した。
「…で、なんだよ?」
お互いにツッコまず、用件に取り掛かる。
「…紅妃と試合をした後、道場に芹沢局長がいらっしゃって、武田を2人で蹴り飛ばし、茶をすると消えました」
的確なのか分からない説明をする斎藤に、土方は武田?と疑問を持つが、ようは2人が消えた。というところで、斎藤と沖田の慌てぶりに納得した。
