十八の春にめでたく光祐さまと婚約し、ますます美しく輝いた姫。 手の届かない女性だと解っていながら、柾彦のこころは恋する気持ちで溢れていた。 それからも、高等学校を卒業するまでの一年間、柾彦は、ずっと守り人として側で姫を見守り続けた。 大学時代は、離れた里から 「素晴らしいお医者さまになられますようにお祈り申し上げます」 と手紙で励ましてくれた姫。 光祐さまの妻となった現在でも、柾彦は、姫以外の女性は考えられなかった。