やがて風が止み、澪は乱れた髪を手グシで直す。 「夏に吹く風は気持ちいな…」 澪は手を止めて、 「そうですね。……でも、今みたいに急に強い風が吹くのは嫌です」 「そうだな。おかげでパイプの火が消えてしまった」 小紅はそう言うと、着物の袖から今ではもう滅多に使わなくなってしまったマッチを取り出し、煙管に火を付けた。