「そうか。…気を付けて帰るんだぞ」 「はい。今日は小紅さんとお話が出来て凄く楽しかったです。ありがとうございました」 澪はそう言って小紅に軽く頭(こうべ)を垂れた。 「俺も、楽しかった。…またおいで」 「はい。…では失礼します」 澪はもう一度、丁寧に小紅にお辞儀をすると庭園から出て行った。 「……幾度か孤独に戻ったな…」 澪が帰った後の庭園に寂しげな小紅の声がひっそりと響いたのだった。