どれくらい時間が経っただろうか。 小紅が今まで歌っていた口をようやく閉じた。 突然聞こえなくなった歌に澪は小紅を見上げる。 「歌ってもんは……いいものだな」 小紅は紫煙を吐くと、少しの沈黙をおいて、 「澪、」 澪に優しく問いかけた。