伝染。



すぐ近くの部屋に入った。よくあるゲストルームのシャワー室の様な所で、女の人は手慣れた様に棚から綺麗なタオルを取り出して、準備を始める。



「失礼ですが、服を脱いで下さい」
「……………ハイ、」



傷手当てするんだし、脱ぐのは当たり前か。ぼんやりとそう思って制服を脱いでいく。…一瞬言葉に詰まったのは、彼女があまりに直球に行って来たせいで頭が真っ白になったからだ。

傍にあった台に脱いだ服を置く。スカートにキャミソールと言う変極まりない格好の自分を見て、微かに眉を寄せた。ダサい。
首から外したタオルにはべっとりと自分の血が付いていて、気持ち悪いと同時にゾッとした。こんなに大量に血が出て、よく自分立ってられるな……。
脱いだ衣服の襟元にも血が滲んでいて、小さくため息をついた。何だか非常に、ダルい。




「失礼します」



女の人が真新しいタオルを水で濡らし、それで私の首元を拭いた。固まっていた血が綺麗に拭われて、傷口が露わになる。女の人はタオルを洗って、また私の首元を拭いた。数回それを繰り返すと、今度は消毒でもするのだろう。それの準備に取り掛かった。
その間、少し周りを見渡してみると、鏡越しに自分と目があった。そのまま、鏡の前まで行って傷口をまじまじと見る。
二か所だけ穴のあいた場所があり、あとは歯型に沿って内出血していた。グロい。見てとれるくらい、しっかりと歯型のデコボコが浮かんでて、眉間に皺を寄せた。



「三宅様」



後ろから女の人に声を掛けられて勢いよく振り返る。スミマセン…と小さく呟いて女の人に傷口を向ける。
失礼します、と言われた後にヒヤリとした感覚が首から肩にかけて伝った。タオルに薬でも塗ってたのだろう、痛い様な熱いような痒いような。いろんな感覚が一気に襲って身をよじる。
女の人は少し眉を寄せると、絆創膏を取り出して私の傷口に張った。



「しばらく傷跡が残るかと思われますが、数日経てば塞がります」
「あ、ありがとうございます…」
「洋服はこちらで洗っておきますので、今はこちらをどうぞ」
「どうも…」