「最強といってもなぁ」

龍娘がズズッとカップのココアを啜る。

アリスカがわざわざ皆に淹れてくれたものだ。

「先日タイマントーナメントをやったではないか。白兎の君が優勝しただろう」

「ちっちっちっ、龍娘先生甘い」

雛菊が言う。

「確かにタイマントーナメントに出場したのは、強い選手ばかりだったし、あの試合結果にケチをつける訳じゃないけれど…天神学園では最強と目されていながら、タイマントーナメントに出場していない生徒も沢山いるでしょう?」

『龍娘先生や侍先生が出場してたら、また結果は変わってきていたかもしれませんよ?』

両手でカップを持って、ココアを飲む小夜。

「いやぁ…私も確かに腕に覚えはあるが…白兎の君には苦戦したからな…」

珍しく謙遜する龍娘。