太陽が雫に濡れた花たちを
煌めかせていた。

和芭は再び
碧のいる花屋に足を運んでいた。

和芭の視線の先にいる碧は
微笑みながら花たちに
水を撒いていた。



「……一宮さんっ?」



碧は店先に立ち
自分を見ていた和芭に気付いた。

和芭の身なりは
Tシャツにジーパンに、
キャップを被りだて眼鏡をしていた。

自分を見て微笑んだ碧に
和芭も微笑み返した。



「良く分かったね」

「一宮さんは、直ぐに分かりますっ」

「どうして?」

「一宮さんは、他の人と違って
キラキラしてますからっ…」



ほんのり、頬を赤く染めて
そう言った彼女に対して
和芭は、荒んだ自分の心が
暖かくなるのを感じた。