《和芭(かずは)くん、和芭くん、》

《なぁに?和梛くん》

《僕たちは、ずっと一緒だよね?》

《あたりまえだろぅ?》




僕には、双子の弟がいた。
産まれるずっと前から、僕たち双子は
共に分かち合い、支えあって生きてきた。

弟の名前は…【一宮 和梛】(いちみや かずな)
優しく、穏やかな性格をしていた。

誰かも慕われて、愛されて
いつも、仏頂面した僕とは違って
正反対の性格をしていた。

でも、だからこそ、
僕たちは良いバランスを保ち続けていた。



《和梛くん、危ないよ?》

《大丈夫だよ、和芭くん》



僕たちは、何をするにも
いつも、一緒だった。

それが、当たり前であり
これから先、ずっと
それが、続くと信じて…いたのに…









《和梛くんーーーーーっ!!》











僕の日常と、弟の未来は…残酷にも、

引き千切られてしまった。













...