小学校のときのあだ名は花子さん。
中学校のときのあだ名は貞子。
黒くて長くて顔も見えないくらいだった私の髪。
たぶんそれがあだなの原因だろう。
伸ばしていたわけでもなかったが、切ろうとも思わなかった。
その髪のせいで私の周りには友達がいなかった。
いじめられていたわけではないが、誰も私には寄り付かなかった。
「いつも暗くて話しかけずらい」
「顔が見えないから表情がわからない」
などが主な原因だった。
「暗い子」
今までに何回聞いたことか。
本当の私を知らないのに言ってほしくなかった。
でももうそんなことは言われたくない。
ずっと入りたかったこの学校に入れたんだ。
少しは自信がついた。
高校生になったんだ。今までのことをすべてリセットして「明るい子」になってやる。
そうして私はこの学校に入学したんだ。
