強がり男子

「れ…」

「俺、お前に初めて名前呼ばれたんだけど」

「……う、うん…ダメ?」



 奴の目を見ながら尋ねてみる。





「……別に。勝手にすれば…?」

「勝手にする。怜斗…」

「んだよ」




 顔が真っ赤なことには触れていいのか、ダメなのか。





「なんで避けてたの?」

「直球だな、おい」

「質問に答えなさいよ…」



 階段の壁にもたれかかる。




 頭が響く。





「……止められねぇから」

「何を?」

「自分を」

「……?」

「あー!! もー!!」



 急に髪をがしがしと掻くとこっちを見た。