私も頬笑みながら教室に向かう。



 ドアを開けるときにはもういつもの顔。





「どこ行ってた?」

「どこだっていいでしょ」

「………そうだな」



 少し悲しそうな顔をした奴。



 ……?




「あ、お兄ちゃんは?」

「さっき戻って行った」

「そう」



 席に座って授業の準備をする。




 あの子…笑えてよかった。



「何、ニヤケてんの。キモいんだけど」

「…っさいわね」



 私…二ヤケてたかな…?




 それからはちゃんといつもの顔で授業を受けた。