強がり男子

 と、思うものの。





 こけた私に気付かず、気付くわけもなく、歩いて行ってしまう奴。





「うー…バカぁ……ッ…ふ…」





 がんがん鳴り響く頭を押さえながら止まらない涙を隠す。






 ―――――フワッ




「え……?」

「誰がバカだっつの」




 一気に風景が高くなった。





 お、お姫様だっこ……?






 しかも…奴だ。





 人が誰もいない非常階段のところで下ろされて階段に座らされた。