「……ッ」
がんがんする頭を押さえながら上半身を起こす。
「あれ……ここ」
「保健室よ」
シャッと言う音と共に優しそうな保健の先生が顔をだした。
「どうして…? …ッ…」
「脳しんとうを起こしてるの。寝てなさい」
あー…教室のドアで頭打ったんだっけ?
なんでこんなところにいるんだろう。
「先生―」
「なぁに?」
「ここまで誰が運んでくれたんですか?」
「えーっとたしか……神山…だったかしらね? 黒髪のイケメンよ」
…奴が……ここまで運んでくれたの?
『邪魔』って言ったのも忘れるわけがない…奴の声だった。

