「恋だと思う?」

「……さぁ?」



 半分笑いながら答えた彩芽。



「本気で聞いてるんだけど!!」

「私が言っちゃっていいの? 自分で気付かなきゃいけないものよ」

「…そうなの?」

「これだから……あんたって子は…」



 頭を抱えてため息をついた彩芽は私にでこピンする。




「いッ!!」

「痛いでしょ? 自分で感じてるでしょ? 恋も同じよ。自分で知らなきゃ」

「うー…」




 たしかに彩芽の言うとおりだと思う。





 どうすりゃいいかなんて誰もわからない。





 これが何なのか…最終的に決めるのも私だ。






 教室に戻ってさっきと違う女の子と話してる奴。





「でね?」

「あぁ」



 左耳から入ってくる声は右耳から出て行く。