強がり男子

「行ってきます」


 朝、いつも通りに準備が終わって家を出た。




 お兄ちゃんは朝練があるから朝は付きまとわれない。





「花~…」

「あ、雪ちゃん! おはよ~」



 明らかにいつもよりテンションの低いクラスメイト。




「何かあったの?」

「実はさ…彼氏に浮気されてるかも」




 あー…その部類か。



「雪ちゃんの彼氏って…」

「幼馴染で…家も隣なんだけど…」

「何かみちゃったの…?」



 相手の機嫌を損ねないように話しかける。




「髪の長い女の人の影と寄り添ってた」

「…そっか……本人には確認したの…?」

「してない…怖いんだもん」



 学校に向かいながら色々話を聞くと…こっちが勝手に解釈してるだけかもしれない。




「一度話し合ってみよ?」

「うん…気がのらないなぁ…でも、別れるのはもっとヤダ…」



 ブツブツと言っている雪ちゃん。




 早くなんとかなるといいなぁ。