強がり男子

 がみがみしたお母さんがキッチンに戻って行く。


「花、あいつが睨んできた奴だ…」


 お母さんが行ってから、言ってきた空牙兄ちゃん。




「あ、やっぱり? それなら私が睨まれたんだよ」

「………まぁ…いいけど。」



 空牙兄ちゃんは何かを言いたそうだったけど、私の顔を見るとため息をついて部屋に戻って行った。



「花ぁあ!! 心配したよぉ~…」

「離れて」



 飛びついてきたお兄ちゃんを引きはがして冷たく言い放つ。




 相変わらずな人だ。




「あ、お兄ちゃん♪」


 いつもより笑顔で言った。



「んー?」


 向こうもニコニコして答えてくれた。



「バター買って来てくれない?? お兄ちゃんしか!! 頼む人居なくて…」

「……任せろ!!」



 そういうと自分の財布を持ってきて家を出て行った。





 当分戻ってこないだろう。




 一石二鳥だ。