強がり男子

 さっきのは結構来た……。



「花!!」

「あ」


 後ろから肩を叩かれた。



「探したっつーの…大丈夫だった?」

「うん」




 声をかけてきたのは空牙兄ちゃん。




「髪濡れてる…?」



 空牙兄ちゃんが私の髪を触る。



「お酒かけられちゃって…お風呂借りたの」

「ん。そっか。帰るぞ…あれ、バターは…?」

「あー…ちょっと」

「まぁいいけど。えーっと…花がお世話になりました」




 隣に立っていた奴に頭を下げた空牙兄ちゃん。




「もうここでいいよ。ありがと」

「ん? あぁ……じゃあな」



 少し寂しそうな顔をした奴は180度回転して真逆の方向に歩いて行った。





 バターを買ってこなかったことと、なかなか帰ってこなくて怒られたのは言うまでもない。