強がり男子

「お風呂と手当ありがとうございました」

「いいのよ~。こちらこそバターありがとうね」

「お邪魔しました」

「また遊びに来てね♪」



 お母さんに挨拶をして奴と家を出た。




「なんで俺が送らなきゃなんねぇの…?」

「いいよ。その辺ちょっとぶらぶらしてから帰れば?」

「……そういうわけにはいかねぇよ」

「なんでよ」



 じっと奴の顔を見るけど1度も目線は合わない。




 奴が合わせない。




「お前も一応女じゃん?」

「……知ってたんだ?」

「…バカにしてるだろ」

「うん」

「ちッ」



 勝った♪



「もうここでいいよ~」

「まだ結構距離あるけど…?」

「いいよ、だいぶ暗くなってきたし」

「だから余計送るんだろ」



 ……なんでこういうところだけしっかりしてるの?



「心配?」


 ニヤッと口元を上げて聞いてみる。



「ば!! んなわけねぇよ。お前の風呂上がりなんかみた奴のほうがかわいそうだ」

「…酷ッ」