強がり男子

「ねぇ」

「あ?」

「私の家と全然方向……違うじゃない」

「それがどうかした?」

「うちより向こうって言った」




 言った意味がわかったのか、頭をポリポリと掻いた奴。






 この前、あの人たちに絡まれた時…送ってくれた奴は…家は私の家より向こうだって言ったのに。





 こいつはどこまで優しいのだろう…?





「まぁいいじゃん」

「……ありがと」

「……!?」



 一瞬びっくりした顔をした奴は少し照れた顔をした。





「ラブラブなところ悪いけど…お風呂沸いたわよ」

「母さん!!」



 私からバっとすごい勢いで離れた奴。