状況が呑み込めない……。
「速ッ…速いって!!」
全力で走る奴は私の声が聞こえてないみたい。
「…うっわ…追ってきた」
奴の声に反応して後ろを見ると数代のバイクが私たちに迫ってきてる。
何これ……最悪じゃん。
「ちょ!! こける!!」
予告した通り足の速い奴に上半身だけ持っていかれてこけた。
「はぁい♪ おじょーさん」
私たちの横に止まったバイク。
「…おっさん」
前にいた奴が言った。
「お、おっさん!? 俺、高校生なんだけど?」
「へぇ? 酒を堂々と飲んでるからおっさんかと」
「ちッ」
私に手を伸ばして立たせられる。