強がり男子

 次の日、空牙兄ちゃんは本当に迎えに来た。




 お兄ちゃんは「俺が一緒に帰ってやるのに~」って言うけど…お兄ちゃんは部活だってあるし、それ以前に、絶対一緒に帰りたくない。



 面倒なんだもん。




 お兄ちゃんも嫌いじゃないんだけどね。





「花!!」


 正門のところで私を見つけた空牙兄ちゃんは大きな声で私を呼んだ。





 呼ぶ前から目立っていた空牙兄ちゃんはもっと目立った。





 そう、空牙兄ちゃんもイケメンの部類だから。





 お兄ちゃんも空牙兄ちゃんも両親でさえも美男美女なのに、私だけ受け継がなかった。





 神様は意地悪だ。




 さすがにお兄ちゃんみたいに鏡の前で自分の顔を見てニヤニヤしてるのも嫌だけど。






 私は急いで空牙兄ちゃんに駆け寄った。



「行こっか」

「うん!」



 お兄ちゃんの横に並んで歩いた。