「話はわかったけど…建物の中に入って行った奴らのほうがヤバいと思う」

「え?」

「殴ったんだろ? 俺が思うに花があぶねぇんじゃねぇの?」

「・・・」



 あぁああ…そうだ。



 言われてみれば…そうだね。



「ど、どうしよう!?」

「焦りすぎ。いいよ、俺が帰り迎えに行ってやるよ」

「本当!?」

「あぁ」



 お兄ちゃんがいれば安心だ。



「花は運動もできねぇしなぁ…頭はそこまで悪くねぇけど」

「運動…かぁ」




 運動できたらどれだけいいか。




 毎日のように思う。




 そしたら人前でこけなくなるし…恥ずかしい思いをしなくていい。





 とりあえず、お兄ちゃんはこれから迎えに来てくれるらしい。





 …安心……かな…?



 少しだけ、迎えにきてほしくないっていう気持ちもあった。




 なんで…?