「ん。俺もあっち」


 私を奴の腕から解放すると歩きだした。




 さっき私たちが争ったところに人影が見えた。






 結構時間たったんだけどな…。




 もう19時前。




「あ…あの子」



 相談相手の子だ。




 こっちに気付いたのか走ってきた。





「ちょっと!! どういうことよ!? なんで居ないの!?」



 学校の時と話し方が違う。




「えと……」

「彼氏は!?」

「あの建物の中に…」



 結構な人数が入って行った小さなビルを指す。



「あそこね!? 役に立たないんだから!!」



 女の子は大きな声でそう叫ぶと足を動かした。