「え…」

「大丈夫か!?」



 後ろを見ると、そこには信じられない人が汗をかいて立っている。




「なんだぁ? てめぇ」



 そばにいた男が奴を見る。




 勢いよく奴に向かっていった男の拳。



 上手く受け止めた奴は倍返しに殴った。





「え、ちょ!!」




 吹っ飛んでいった男は仲間を呼びにいったようだ。




「い、行こ!!」




 私はそこから動きそうにない奴の手を無理矢理引っ張って走った。







 結構走って学校まで戻ってきた。




 急に止まった私に向かって声をかけた奴。





「あ、秋吉…?」

「………ッ」




 さっきから出ていた涙は止まることを知らないようだ。