私は早く帰ろうと思い、ケータイを鞄にしまおうとした。



「おじょーさん」

「え…?」



 手にあったケータイを取られて、目の前が陰になる。





 壁に追い詰められて上を見上げる。






「えと……」

「ずっとここからのぞいてたでしょ」

「……ごめんなさい。話は聞こえてないんで…失礼していいですか?」

「いい…わけないじゃん?」





 そう言ってほそい道に引っ張られる。







「え。ちょっと!!」

「威勢がいいんだねぇ」

「キモい!! 触んないでよ!!」




 つい反抗的な態度を取ってしまい、靴を踏んだ。




「これ今日おろしたばっかりなんだけど~?」

「え…と」



 さっきより力が強くなった。





 ヤバい……?