私がそうさせたの?



 そう思うと苦しいような胸を締め付けられる感覚に襲われた。







 何よ…この感情。





「慣れていいもんじゃねぇよ」




 そう言って少し笑った奴は私の頭に手を伸ばす。





 大きい手が私の打った部分をそっと撫でる。





 手が離れた後に残っているのは熱さ。





 触られたところだけ熱い。






「………変よ…」

「は?」

「…何でもない」

「…?」




 この日を境に私は奴のことを意識してしまうようになった。