保健室に行くと先生はいなかった。



「とりあえず寝てろ」


 そう言われて、ベッドにそっと下ろされた。




「眠くない」

「じゃあ目だけでも瞑ってろっつーの」

「……」



 ベッドの近くに椅子を持ってきた奴はそこに腰かけた。




「寝づらいわ」

「寝ないんだろ?」

「………眠くないけど寝る」

「矛盾してるぞ」


 たしかに奴の言うとおり……。





 だけど…こんなドキドキしてちゃ、寝れないものをもっと寝づらくする。




 目を瞑ることでさえ躊躇ってしまう私は何なのだろう。





「頭……いてぇか?」



 違うところを見ていた私に話しかけた奴。



 奴の方を見ると心配そうに眉を下げている顔が見えた。




「平気よ。慣れてる」



 なんでそんな顔してるのよ。