強がり男子

「ねぇ~、呼んでるのに~」

「呼ばれてねぇ」



 すっげぇ嫌なそうな顔をしながら柊は女の顔を見る。




「え~。まぁ、いいけど。次の時間サボろ?」

「ヤダ。なんでお前に決められなきゃなんねぇの」

「そんな柊もカッコいい~」




 柊を無理矢理抱きしめて笑う女。




 頭おかしいんじゃねぇの。




「ウザいんですけど―」


 大きな声でそう言った柊。



 すると、反対側から少し怒った声が、聞こえた。

「お兄ちゃん!!」



 え?




「ん? どしたの? …じゃねぇ…どうした?」



 ちょっとだけ昔の柊に戻ってすぐに今の声になった。




「女の子にウザいとか言っちゃだめだよ!!」

「…あ、すいません」




 …尻に敷かれてやがる。




「ぶはッ」



 俺は思わず噴き出した。




「「ん?」」


 柊と花の声がそろう。