強がり男子

 柊は町田彩芽に恋をしたかったんだ。



 誰でもよかったのかもしれない。





 花以外の誰かを。






「俺がこの立場であっても…花とは兄妹だ。恋愛は無理ってことも痛いくらいに分かる」

「あぁ」

「実はさ、気付いてかもしれないけど…俺、花には性格変えて接してんの」




 …だろーな。




 明らかにキャラが違う。




「理由あるんだろ…?」

「こうでもしないと、いつ暴走するか…わかんねぇから。花に自分の気持ちをぶつけたらどうなるかなんて目に見えてる。花を困らせるだけだ」





 何も答えれない。



 柊の言うとおりだから。




「でもさー…知ってる? 柊の仮の性格、花が嫌ってること(笑)」

「薄々な。でも、今から変えれないだろ」

「花なら大丈夫だと思うけど」




 少し笑った柊はまたすぐに下を向く。



「考えとく。悪かったな、花が待ってんだろ。早く行けよ……花には言うなよ」

「いわねぇよ」




 柊の部屋を出ると階段の下で座ってる花。