強がり男子

「へ、へぇ……」



 お父さんに妬かれても嬉しくない。




 お父さんが椅子に座った時、ちょうど玄関のドアが開く音がした。





「ただいまー」



 あ、お兄ちゃんだ。





 キッチンに鞄だけ置いて入ってきたお兄ちゃんとばっちり目があった。






「は、花ぁああ!!!♥♥♥♥」

「柊、そろそろ妹離れしろよ」



 空牙兄ちゃんを少し睨んだお兄ちゃんは目をある方向に向けた。





「は?」

「……」




 いつもと違う、この前…女の子に対してだしたような低い声でお兄ちゃんが?マークを浮かべた。



「なんで…神山いるの?」

「なんでって…」




 怜斗の視線がこっちに送られる。




 『話してなかったのかよ』と。




 『ごめん!』って頭の中で思いながら手を合わせる。