強がり男子

「たくさん食べてね~」

「あ、はい…」



 お母さんは怜斗の傍にあったお皿にたくさんおかずを盛り付けた。



 揚げ物が多い。





 お母さんはカロリーとかを全く気にしない人。




 自分は細いから。






 別にこっちで調節すればいいんだけど。






「おいしいです」




 怜斗が感想を言わなきゃいけない雰囲気にしてしまって、怜斗には申し訳ない。






 夕食をみんなが食べ終わる頃、お父さんが書斎から出てきた。





「あ、お邪魔してます!」


 怜斗が持っていた箸を置いてお父さんに言った。




「いいんだよ。ゆっくりしていって」



 そういうお父さんは元気がない。





「父さん、怜斗君に妬いてんだよ」



 空牙兄ちゃんが私の耳元で言う。