強がり男子

「怜斗ー、空牙兄ちゃん~。ご飯だって」

「わかった」




 部屋に戻って2人に声をかける。



「怜斗、ごめんね」



 空牙兄ちゃんが少し気を利かせたのか、先にキッチンに行ってしまった。




 私は怜斗に話しかける。




「ん? 何が?」

「空牙兄ちゃん。何も言われなかった?」

「すっげぇいいお兄さんじゃん?」

「あは。そうかな…?」


 お兄ちゃんのことを褒められ、妹の私も少し嬉しい。





 なんか怜斗が焦ってる気がするけど。




 怜斗、嘘つけないんだよね~。




「なんかあったでしょ?」

「はッ!!??」

「…焦りすぎだから。まぁ、なんでもいいけど」

「ん。行こ」



 苦笑いされて少し悔しくなりながらも2人でキッチンに行った。





「あれ、お父さんは? まだなの?」

「帰ってきたんだけどー…花の彼氏が来てるって言ったら部屋でブツブツ言ってるわ。放っておいて平気よ」



 そう言ってお母さんは嬉しそうに怜斗を座らせた。