「おんぶしてやろっか?」



 ちょっと意地悪な笑みで花に聞くと、顔を真っ赤にしてそっぽを向く。






 恥ずかしいときのこいつの癖だ。






「じゃあ体重かけていいから」

「…うん」




 俺だってたまには優しいんだからな。





 花の手を当たり前のように取って少し力を入れて握った。






 花の家まではそこまで遠くない。





 俺は途中で花にオレンジジュースを買ってベンチで休ませた。





「平気か?」

「うん」



 隣に座って花に体重をかけさせる。




「眠…」

「授業中いっぱい寝てたじゃん」

「成長期なんだよ」

「まだ身長伸びるの…?」

「まだ行ける。伸びてほしくねぇの?」



 そういうわけじゃないけど…と言った花はオレンジジュースに口をつける。