チャイムが鳴った。


「うっしゃ」

「何」

「次、体育♪」



 げ。




 唯一、私が苦手とする分野。




 こいつには笑われるに決まってるから言ってない。





「うわ…男女一緒だってよ」

「ふざけんな!!」

「は…?」



 びっくりしたようにこっちを見た奴。




「絶対ヤダ!!ヤダ!! ヤダヤダヤダ~」

「子供か」



 椅子に座った状態で暴れる私。




「早く着替えに行けよ」

「ヤダ~」



 彩芽に引っ張られて更衣室に入った。




「あんた体育苦手だもんね~」

「苦手なんてもんじゃないよ!? 奴の前でこけたら最悪だ…」

「はは…」