「もしもし?」


 冷静に返事をする。




「だ、誰だよ!! お前!!」



 さっきよりだいぶ低くなった男の声。





「このケータイの持ち主、落としてったんだけど」

「花が? あー…こけたのか」

「派手に転んでた」




 花と呼ばれる女の何なのかはよく分からないがため息が聞こえた。




「どこで拾った?」

「正門」

「ん、了解。俺が取りに行くわ」



 そう言って切れたケータイ。




 ここで待ってろっていうことか?





 どっから来るんだよ(笑)




 今から家出るとかだったらマジ置いてくからな。




 そんなことを考えていると3分も立たないうちに俺の前に男が立った。