「俺のだから」



 上を見ると黒髪と制服が見えた。




「あ、二人って付き合ってるんだ?」



 手をひっこめるとにこっと笑った中島君。





「うん……」

「そっか。じゃあ後は彼氏さんに任せるね」




 そう言って本が置いてある場所に持って行った中島君。





「わりぃ…大丈夫か?」



 私の前にしゃがんだ怜斗。





「大丈夫だよ」

「嘘つけ…足腫れてる」




 私の左足を片手で持って腫れている部分を見る。




「ん」



 今度は私に背中を向けた怜斗。




 乗れってこと…?




 私は何も聞かずに背中に体重をかけた。





 ゆっくりと立ち上がった怜斗は歩きだす。