強がり男子

 誰かにぶつかった。



 転んだまま顔だけあげて、ぶつかった人を見る。




「あ…中島君!!」

「怪我してない? 俺、前見てなくて」



 たくさんの本が廊下に散らばってる。




「大丈夫だよ。中島君は?」

「俺は平気だよ。立てる?」




 立ち上がって私に手を差し出した。




「あ、ありがとう」



 遠慮せずに手を借りて立ち上がる。





 散らばった本を一緒に拾った。





 あ…足やっちゃったかな…?




 ちょっと違和感を感じる左足。





「ごめんね。助かった」

「私がぶつかったんだから、当り前だよ」

「急いでた…?」

「んーちょっと…。だから行くね。ごめんねぶつかって」

「大丈夫だよ。早く行ってー」




 急いで中島君から離れて駆け足。